「診療報酬改定説明会」の報告


日 時 令和2年3月17日(火) 13時~15時15分
YouTubeによるライブ配信
主 催 (一社)日本病院会
講 師
厚生労働省保険局医療課 森光 敬子 課長
厚生労働省保険局医療課 木下 栄作 課長補佐
報告者 岡山県病院協会 医事業務委員会
畑   勝久 委員(水島中央病院)
佐藤 由香 委員(玉野三井病院)


〈 令和2年度 診療報酬改定の概要 〉

Ⅰ 医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進

Ⅱ 患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現

Ⅲ 医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進

Ⅳ 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上


Ⅰ 医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進

〈1.地域医療の確保を図る観点から早急に対応が必要な救急医療提供体制等の評価〉

地域の救急医療体制において一定の実績を有する医療機関について、入院医療の提供に係る評価を新設する。
(新) 地域医療体制確保加算 520点(入院初日に限る)
・救急用の自動車又は救急医療用ヘリコプターによる搬送件数が、年間で2,000件以上であること。
「病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に資する計画」の作成、定期的な評価及び見直し

救急搬送看護体制加算について、救急外来への搬送件数及び看護師の配置の実績に応じた評価区分を設ける。
 1 救急搬送看護体制加算1 400点
・救急用の自動車又は救急医療用ヘリコプターによる搬送件数が、年間で1,000件以上
救急患者の受入への対応に係る専任の看護師を複数名配置。
 2 救急搬送看護体制加算2  200点

患者の重症度等に応じた質の高い救急医療を適切に評価する観点から、要件及び評価を見直す。
(施設基準の届出を行うこと。)
1 救急医療管理加算1 950点
2 救急医療管理加算2 350点

〈2.医師等の長時間労働などの厳しい勤務環境を改善する取組の評価〉

① 常勤換算の見直し
週3日以上かつ週24時間以上の勤務を行っている複数の非常勤職員を組み合わせた常勤換算でも配
置可能としている項目について、週3日以上かつ週22時間以上の勤務を行っている複数の非常勤職員
を組み合わせた常勤換算で配置可能とする。

② 医師の配置について
複数の非常勤職員を組み合わせた常勤換算でも配置可能とする項目を拡大する。
(対象となる項目)緩和ケア診療加算、栄養サポートチーム加算、感染防止対策加算 等

③ 看護師の配置について
外来化学療法加算について、非常勤職員でも配置可能とする。

④ 専従要件について
専従を求められる業務を実施していない勤務時間において、他の業務に従事できる項目を拡大する。 (対象となる項目)ウイルス疾患指導料(注2)、障害児(者)リハビリテーション料、
がん患者リハビリテーション料

〈3.タスク・シェアリング/タスク・シフティングのためのチーム医療等の推進〉

① 医師事務作業補助者の配置に係る評価の充実
医師事務作業補助体制加算1 248~970点
医師事務作業補助体制加算2 238~910点

② 看護職員の夜間配置に係る評価の充実
看護職員夜間配置加算 40~105点
看護職員夜間配置加算 65点(地域包括ケア病棟入院料、精神科救急入院料、
精神科救急・合併症入院料の注加算)

③ 看護補助者の配置に係る評価の充実
25対1~75対1急性期看護補助体制加算 160~240点
夜間30対1~100対1急性期看護補助体制加算 100~120点
看護補助加算1~3 88~141点
夜間75対1看護補助加算 50点
夜間看護加算(療養病棟入院基本料の注加算) 45点
看護補助加算(障害者施設等入院基本料の注加算) 116~141点
看護補助者配置加算(地域包括ケア病棟入院料の注加算) 160点

〈4.業務の効率化に資するICTの利活用の推進〉

医療機関における業務の効率化・合理化を促進する観点から、以下のような見直しを行う。
① 会議や研修の効率化・合理化
(1)会議
安全管理の責任者が必ずしも対面でなくてよいと判断した場合においては、ICTを活用する
等の対面によらない方法でも開催可能とする。
(2)院内研修
抗菌薬適正使用支援加算に係る院内研修を明確化。
急性期看護補助体制加算等の看護補助者に係る院内研修の要件を見直す。
(3)院外研修
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の院内研修の指導者に係る要件を見直す。

② 記録の効率化・合理化
(1)診療録
栄養サポートチーム加算注2等について、栄養治療実施計画の写しを診療録に添付すれば良
こととする。
(2)レセプト 摘要欄
画像診断の撮影部位や算定日等について選択式記載とする。

③ 事務の効率化・合理化
(1)施設基準の届出について、様式の簡素化や添付資料の低減等を行う。
(2)文書による患者の同意を、電磁的記録によるものでもよいことを明確化する。


Ⅲ 医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進

〈1.医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価〉

① 急性期一般入院基本料
(1)入院の必要性に応じた重症度、医療・看護必要度の見直し【経過措置あり】
「B14又はB15に該当、かつ、A得点1点以上かつB得点3点以上」の基準を削除
・A項目の「免疫抑制剤の管理」を注射剤に限る
救急患者の評価を充実
  必要度Ⅰ 救急搬送後の入院の評価を5日間に延長
  必要度Ⅱ 救急医療管理加算又は夜間休日救急搬送医学管理料を算定した患者を新
たに評価

② 地域包括ケア病棟入院料
(1)実績要件の見直し
・許可病床数が400床以上の病院について、同一保険医療機関内の一般病棟から転棟した患
者の割合が一定以上である場合の入院料を見直す。
・地域包括ケア病棟入院料(管理料)1及び3の実績に係る施設基準を見直す。
(2)施設基準の見直し
入退院支援及び地域連携業務を担う部門の設置を要件とする。
適切な意思決定支援に関する指針を定めていることを要件とする。
(3)転棟に係る算定方法の見直し
・同一保険医療機関内のDPC対象病棟から転棟した場合は、診断群分類点数表に定めら
れた入院日Ⅱまでの間、診断群分類点数表に従って算定するよう見直す。
(4)届出に係る見直し
・許可病床数が400床以上の保険医療機関については、地域包括ケア病棟入院料を届け出ら
れないこととする。

③ 回復期リハビリテーション病棟入院料
(1)実績要件の見直し
入院料1及び入院料3におけるリハビリテーション実績指数について、その水準を見直す。
・入院料1:リハビリテーション実績指数 40
・入院料3:リハビリテーション実績指数 35
(2)施設基準の見直し
・入院料1について、常勤の専任管理栄養士の配置を必須とする。
・入院料2~6についても、配置が望ましいこととする。
(3)日常生活動作の評価に関する取扱いの見直し
・入院時のFIM及び目標とするFIMについて、リハビリテーション実施計画書を用いて説明する。
・入院時及び退院時の患者のADLの評価に用いる日常生活機能評価について、FIMに置き
 換えてもよいこととする。
(4)入院患者に係る要件の見直し
入院患者に係る要件から、発症からの期間に係る事項を削除する。

④ 療養病棟入院基本料
(1)療養病棟入院基本料の評価の見直し
療養病棟入院基本料の注11に規定する経過措置(所定点数の100分の90)について、
 経過措置期間を2年間延長する。
療養病棟入院基本料の注12に規定する経過措置(所定点数の100分の80を算定)につ
 いて経過措置を令和2年3月31日限りで終了する。
(2)適切な意思決定の支援
「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、
適切な意思決定支援に関する指針を定めていることを要件とする。
(3)中心静脈栄養の適切な管理の推進
・中心静脈注射用カテーテルに係る院内感染対策のための指針を策定していること。
・中心静脈注射用カテーテルに係る感染症の発生状況を継続的に把握すること。

⑤ 総合入院体制加算の見直し
(1)届出要件の見直し
地域医療構想調整会議で合意を得た場合に限り、小児科、産科又は産婦人科の標榜及び
当該診療科に係る入院医療の提供を行っていなくても、施設基準を満たしているものとする。

⑥ 提出データ評価加算・短期滞在手術等基本料の見直し
(1)提出データ評価加算の見直し
提出データ評価加算 40点
イ データ提出加算を算定する病院であること
ロ 未コード化傷病名の割合が様式1及び外来EFファイルにおいて2%未満、診療報酬明
細書において10%未満であること。
(2)短期滞在手術等基本料の見直し
対象となっている検査及び手術の評価の見直しに伴い、下記項目については評価を廃止する。
・D237 終夜睡眠ポリグラフィー3 1及び2以外の場合
・K873 子宮鏡下子宮筋腫摘出術

⑦ DPC/PDPSの見直し
(1)医療機関別係数
平成30年度診療報酬改定において暫定調整係数の置き換えが完了し、医療機関別係数は
基礎係数、機能評価係数Ⅰ、Ⅱ及び激変緩和係数の4項目となった。
① 基礎係数(医療機関群):現行の3つの医療機関群の設定方法と、4つの評価基準
(DPC特定病院群)を継続する。
② 機能評価係数Ⅰ:従前の評価手法を継続する。
③ 機能評価係数Ⅱ:
[地域医療指数の評価項目]
◆治験等の実施
 過去3カ年において、主導的に実施した医師主導治験が8件以上、又は主導的に実施
 した医師主導治験が4件以上かつ主導的に実施した臨床研究実績が40件以上
 ・20例以上の治験の実施、10例以上の先進医療の実施または10例以上の患者申出
  療養の実施
◆新型インフルエンザ対策(新設)
 新型インフルエンザ患者入院医療機関に該当
④ 激変緩和係数:診療報酬改定に伴う激変緩和に対応した、激変緩和係数を設定
(改定年度の1年間のみ)
(2)診療実績等を踏まえた診断群分類点数表等の見直し
直近の診療実績データや医科点数表の改定を踏まえ、診断群分類点数表等の見直しを行う。
(3)DPC/PDPSの安定的な運用
急性期の医療の標準化という観点とDPC/PDPSになじまない可能性のある病院の診療内容を
分析するため、医療資源投入量等の指標について検討するとともに、書面調査やヒアリング等を
通じて診療内容の実態についての分析を引き続き行う。

〈2.外来医療の機能分化〉

① 婦人科特定疾患に対する継続的な医学管理の評価
器質性月経困難症を有する患者に対して、継続的で質の高い医療を提供するため、婦人科医又は
産婦人科医が行う定期的な医学管理を評価する。
(新)婦人科特定疾患治療管理料 250点(3月に1回)

② 紹介状なしで一定規模以上の病院を受診した際の定額負担の対象範囲の拡大
・紹介状なしで受診した患者から、定額負担を徴収する責務がある医療機関の対象範囲を拡大する。
・定額負担を徴収しなかった場合の事由について、報告を求める

〈3.質の高い在宅医療・訪問看護の確保〉

① 医療機関における訪問看護に係る加算の新設
手厚い訪問看護提供体制を評価する観点から、一定の実績を満たす場合について、在宅患者訪問
看護・指導料の加算を新設する。
(新)訪問看護・指導体制充実加算 150点(月1回)

〈4.地域包括ケアシステムの推進のための取組の評価〉

① 入退院支援の取組の推進
関係職種と連携して入院前に病棟職員との情報共有や患者又はその家族等への説明等を行う場合
の評価をさらに評価する。
【入院時支援加算】
 イ (新)入院時支援加算1 230点
 ロ 入院時支援加算 200点
② 栄養情報の提供に対する評価の新設
入院中の栄養管理に関する情報を示す文書を用いて患者に説明するとともに、他の保険医療機関
又は介護老人保健施設、介護老人福祉施設、介護療養型医療施設、介護医療院、指定障害者
支援施設等若しくは福祉型障害児入所施設の医師又は管理栄養士に対して提供する。
(新)栄養情報提供加算 50点