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 DESC法
H19.12月号
 ことばでコミュニケーションをするときの問題解決手法で、別に

  “問題解決のためのセリフ作り“

ともいわれている。
 相手とのコミュニケーションを大事にしたいと考えるときD・E・S・Cの順に話をしていくことにより、相手の立場を理解し、自分の状況を相手が認識でき、より良好な人間関係を築くことができる。   
 そのための言葉の選択は、とても大切なものとなる。

D(describe):状況や相手の行動を描写する
(客観的、具体的で、お互いが認識できること)

E(express,empathize):状況や相手の行動に対する自分の気持ちを表現する。相手の気持ちに共感する。

S(specify):特定の提案をする(相手に望む行動、妥協案、解決策など)

C(choose):選択する(肯定的、否定的結果を考え、行動の選択肢を示す)

 例として、友達と長電話になり自分は明日早いのでもう終わりにしたい、しかし友達は切ってくれそうにない場合

D:もう1時間も話したね。もうすぐ12時になるね。
E:あなたの話はよくわかった、しかし私は明日早起きをしなければいけない。
S:もう30分話したら終わりしようか。12時で電話を切るね。
C:この続きはまた3日後会ったときに聞くよ。明日こちらから電話するよ。


 DI(Diffusion Index)
R1.8月号
 DIとは指数に採用している経済指標のうちで景気の拡大を示している指標の割合を示したもの。 毎月の細かな変動を除くために、3ヶ月前との比較を用いて拡大を示す指数の数を数え、採用している指数の数で割って割合を出す。 全ての経済指数が拡大すれば100%となり、全ての経済指数が悪化すれば0%となる。過半数の経済指標が拡大あるいは改善を示せば、景気動向指数は多数決の原理で拡大・回復を示唆していると考えられるので、50%が景気回復(拡大)と悪化の判断の境目となる。
 独立行政法人福祉医療機構(WAM)は7月3日、「病院経営動向調査(2019年6月)」の結果を公表した。 この調査は病院を運営する276法人(うち医療法人229法人)を対象に、収益や資金繰りの状況、働き方改革への対応状況などに関する病院の回答についてDIを用いて分析した。 それによると、医業収益のDIは一般病院と療養型病院はプラス値、精神科病院だけがマイナス値となった。医業利益については減益したと回答した施設が多く、全類型でDIがマイナス値となった。 調査は2019年からスタートしたもので、今回が初めての調査結果の公表となる。今後も四半期ごと(3月、6月、9月、12月)に実施する予定。


 DMAT(Disaster Medical Assistance Team)
H23.1月号
 災害時医療派遣チームのことをいう。15年前の阪神・淡路大震災では初期医療体制の遅れがなければ約5000人の命が救われたとされる。その経験から多くの命を助けようと平成17年に結成された。 被災地での応急治療や医療情報収集、さらに被災地外に搬送される人への医療支援活動がある。
 従来、医療救護班は避難所の仮設診療所などで医療活動を行ってきたが、救命医療としては十分ではなかった。 災害急性期に専門的な訓練を受けた医療チームが災害現場に出向き、現場での緊急治療や病院支援などを行うことができれば、死亡や後遺症の減少につながると考えられることから、こうした活動を担うために厚生労働省が発足させたのが日本DMATである。 日本DMATの養成は、平成17年から災害医療センター等の「日本DMAT隊員養成研修」で実施されており、この研修を終了し厚生労働省に登録された者(医師、看護師等)がDMAT登録者となる。 DMATの活動は、被災地の都道府県が他の都道府県、厚生労働省にDMATの派遣を要請することにより行われる。
 東京都が設置する東京DMAT(平成16年発足)など、自治体等で設置するDMTAもある。
 自然災害だけではなく、列車事故や航空機事故なども対象となる。平成17年のJR福知山線脱線事故や平成19年の能登半島地震などで活動している。
 県内では岡山赤十字病院、岡山済生会総合病院、川崎医科大付属病院、倉敷中央病院、津山中央病院の5病院で、計15チームある。


 DNR「蘇生させないでください」
H22.11月号
 DNRは“Do not resuscitate”の略語で、「蘇生させないでください」「蘇生の努力は止めてください」の意味で、(余命が限られているので)「緊急時に心肺蘇生をするな」との患者・家族の意思表示である。 末期の疾患などで、急変時に蘇生処置を行っても回復の見込みが薄い場合、自然な死亡を優先させる旨をあらかじめ取り決めておくことをさす。
 日本救急医学会救命救急法検討委員会において1995年に以下のように定義されている。「DNRとは、尊厳死の概念に相通じるものであり、癌の末期、老衰、救命の可能性がない患者などで、本人または家族の希望で心肺蘇生法(CPR)を行わないことをいう。」 一般には“蘇生不要”や“蘇生不適応”などのさまざまな表現をされており、医療機関ではDNRのまま使われているのが現状であろう。
 オーストラリアの救急専門医が80歳に達した際に、“DNR: Do not resuscitate”と文字どおり胸に刺青したそうだ。彼自身が救急専門医として、数多くの患者を「蘇生させた」立場だが、自分ではその処置を拒否している。 彼の言い分は、「ずいぶん多数の患者に蘇生処置をしてきたが、完全に回復する比率はごく小さくて6パーセント未満だ。 たまたま心停止の際に、モニターや除細動装置がそろっていない限り、蘇生の結果はいいはずがない。それで胸にこの刺青をした」というものだ。この人のこうした死生観は永年の経験によると同時に、80歳という年齢にもあるだろう。
 患者の自己決定権やインフォームド・コンセントが確立している欧米では受け入れやすい概念であっても、日本においては一般市民にまだ十分に受け入れられているとはいいがたい。元気なうちから、自分が死に直面した時について家族で話しておく環境が必要だろう。


 DRG/PPSとDPC
H15.6月号
DRG・・・Diagnosis Related Group
PPS・・・Prospective Payment System
DPC・・・Diagnosis Procedure Combination

 今年度から特定機能病院で施行された入院医療の包括評価払いの算定の基礎となっているものが診断群分類、即ちDPCです。DPCとは、診断と治療の組み合わせという意味ですが、従来使用されてきたDRG/PPSとは次のニつの点で異なります。

 まず1点目の違いは、欧米型のDRGが疾病を外科的処置の有無によって第一に分類するのとは異なり、DPCは傷病名を基本として、次に手術・処置の選択、最後に重症度や合併症の有無によって分類するため、臨床現場における診療の思考過程により近い分類であると説明されています。

 2点目は、従来のDRG/PPSが1入院当リの定額払いを基本としているのに対し、DPCでは1日当りの定額払い方式となっている点です。 入院期間の長短に関わらず支払金額が同じことへの患者側の不満もありませんし、平均在院日数を超える入院でも病院が全額持出しとなることはありません。 ただし、1日当りの包括点数には従来の入院料と同じ短期加算・長期減算の仕組みが取り入れられ、在院日数短縮へのインセンティブが働くようになっています。


 DX(Digital Transformation)
R3.3月号
経済産業省によると「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。それによって企業として安定した収益を得られるような仕組みを作ること」です。
 DXは次の3つのプロセスで構成されています。
  • 「デジタイゼーション」アナログなものをデジタル化する。例えばフィルムカメラからデジタルカメラ、紙カルテから電子カルテなどです。
  • 「デジタライゼーション」プロセス全体をデジタル化することで新たな価値を創造する。デジタルカメラに変わることで、オンライン上で写真データを送受信する仕組みが生まれました。また、ウェブ問診やオンライン健康相談などです。
  • 「デジタルトランスフォーメーション」は、デジタライゼーションの結果として社会的な影響を生み出すことを意味します。オンライン上で写真データを送受信できることにより、結果として、InstagramやTwitterといったSNSで世界中の人が写真データをオンライン上でシェアできるようになりました。また、支払いを含めたオンライン診療などです。
 今後は、先進的な医療だけでなく、感染症への対応や地域医療、さらに病院経営といった幅広い場所で、デジタルによるテクノロジーの活用が進み、効率化や生産性の向上に役立てられていくことが予想されます。


 EAP (Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)
H30.6月号
 メンタルヘルス対策に力を入れようとする企業などが、サービスを提供する外部の事業者(EAP事業者)と契約し従業員とその家族にサービスを提供する。
EAP事業者の行う主なサービス
① 個々の社員向けサービスとして、メールや電話による相談、対面カウンセリング
② 管理者などへの助言、指導、提案。メンタルヘルスにかかわる従業員への対応。
  職場で問題行動を起こす従業員への対応。
③ 組織向けサービスとして、研修の実施、病気の従業員などの職場復帰後の
  支援、ストレスチェックを活用した職場の環境改善の提案
 EAPは米国でアルコール問題を抱えた従業員への支援プログラムでスタートした。1990年代後半以降日本でも広がった。きっかけは、労働省「現、厚生労働省」が2000年に発表した「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」である。
 指針では、①労働者によるセルフケア②管理監督者によるケア③産業医などの社内の産業保健スタッフ等によるケア④社外機関からのケアの4つが必要とされた。EAPは④にあたる。また、2013年度から2017年度までの5年間の第12次労働災害防止計画が定められている。 計画のうち、メンタルヘルス対策の推進では、主な目標としてメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場を2013年度47.2%から80%にすることになっている。2015年度の実績値は59.7%である。
 今後のEAPの取り組みでは、社員が抱える心理面の問題を取り去り、士気や生産性を高めるトレーニングも実施されようとしている。 


 ”EBM(Evidence Based Medicine)”
H16.7月号
直訳すれば「証拠に基づく医療」だが、「科学的根拠に基づく医療」と訳される場合もある。
 実証的、疫学的な根拠に基づいた医療を実施することが重要であるという考え方のもとに、さまざまな病態に対する医学的な介入がどのような効果をもたらすか統計的に把握して、そこから最適 の診療行為を見出して行こうという方法論である。
 1992年、英国政府の支援で世界中の臨床的文献のデータベース化が始まったのが出発点で、 90年代半ば頃から医療界の大きな潮流となる。

 実際の診療の場においては、次のようなプロセスを踏むことが提唱されている。

ステップ1:
患者の問題の定式化臨床上の問題を回答可能な質問に文章化する
ステップ2:
問題についての情報収集
問題解決に利用する最良の根拠(診察や検査の結果、文献の内容など-evidence)を最も効率よく発見する
ステップ3:
情報の批判的吟味収集した情報の妥当性や有用性を検証・評価する
ステップ4:
情報の患者への適用臨床でその結果を応用する
ステップ5:
1~4のプロセスの評価
事後評価する

 いわば患者の具体的な問題から出発し、個々の患者に戻っていくプロセスである。

 EBMの考え方は、看護、薬剤、医療政策、公衆衛生などの分野でも取り入れられており、これらを含めてEBMと呼ばれることもある。


 EU ETS (European Union Emission Trading Scheme)(欧州連合域内排出量取引制度)
H27.6月号
 EU ETSは、欧州連合(EU)と域内における二酸化炭素(CO2)についての複数国による世界最大の排出量取引制度である。排出量取引制度は、市場原理を利用し、排出量に余裕がある場合は売却し、不足の場合は購入することで、効果的にコストをかけ、着実に削減目標を達成しようとする仕組みである。
  温室効果ガス削減に向けた世界的な取り組みは、1997年に京都市の国立京都国際会館で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議 COP3)で採択され、その内容を議定書にしている。
  京都議定書でEUは、CO2を共同して削減することが認められ、国ごとの削減目標がEU指令で定められている。EU指令で定められている削減目標を達成するための一つの方法として、目標以上に達成した国の排出枠を未達成の国に買ってもらい、EU全体として京都議定書で約束した排出枠を達成しようとEU ETSで取り組まれている。 EU ETSに参加している施設は、EUのCO2排出量の約半分、温室効果ガス排出量の約40%となるエネルギー部門や工業部門の1万を超える施設となっている。


 e-ラーニング
H19.8月号
 "e" は、electronic(電子的な)の意味であり、パソコンやコンピュータネットワークなどを利用して学習を行うことです。教室での学習に比べて、遠隔地にも教育を提供できる点や、コンピュータならではの教材が利用できる点などが特徴です。 特に時間的に不規則な医療関係者には向いている学習法だと思います。一方で、機材の操作方法など、実物に触れる体験が重要となるような学習はeラーニングには向きません。eラーニングは企業の社内研修で用いられているほか、英会話や簿記などの資格試験受験用教材がインターネットで提供されており、最近、増えています。
 eラーニングの形態では、教材を物理的に届けるということはなく、学習者はインターネット又は社内LAN上で教材を取得、学習するという形となります。つまり、教材がおかれているアドレスを学習者に伝えれば、学習者はすぐに学習を開始することができます。 プログラムも本体もサーバー上に置いておけばよいので、修正が発生しても、そのサーバーのファイルを変更すれば、学習者は最新の教材を常に受講できます。これにより制作者は、より柔軟なメンテナンスを行うことができます。また、受講状況を把握することもできるので、学習者の管理も適切にできます。


 Femtech(フェムテック)
R4.9月号
 フェムテック(Femtech)とは、「Female(女性)」と「Technology(テクノロジー)」を組み合わせた造語です。女性のライフステージにおける「生理・月経」「妊活・妊孕性」「妊娠期・産後」「プレ更年期・更年期」などの健康課題をテクノロジーで解決する商品やサービスを指します。具体的には、月経周期を予測するアプリや月経カップ、ピルのオンライン診断などその範囲は多岐にわたり、2025年までに5兆円規模の市場になると言われています。
 フェムテックは、働き方改革の“女性活躍推進”にも大いに関わってきます。生理痛やPMSなどによる労働力の低下が招く経済損失は年間約6,828億円といわれ、女性の健康は社会に大きく影響しており支援と対策が必要です。また、世界共通目標のSDGsにおいて、フェムテックに直結するのが「ジェンダー平等を実現しよう」です。2022年発表のジェンダーギャップ指数では、日本は146か国中116位と先進国の中で最低レベル。雇用や賃金格差、議員や管理職の割合の低さ、家事・育児の負担の大きさなどが問題になっています。
 世界的に後れを取っている日本ですが、近年フェムテックに取り組む企業、自治体や行政も増えています。フェムテックの推進は、社会にとって生産性の向上はもちろん、タブー視されてきた女性特有の悩みを打ち明けられる「助け合い」の環境の醸成にも繋がります。我慢し諦め去っていく・・・そんな女性を少しでも減らすことが今後の日本経済を左右するかもしれません。


 FinTech(フィンテック)
H28.12月号
 ICT技術を使った新たな金融サービスのことで、金融を意味する「Finance」と、技術を意味する 「Technology」を組み合わせた造語です。フィンテックは日本で作られた和製英語ではなく英語でも伝わる単語です。
 代表的なフィンテックの事例として一番有名なのがモバイル決済です。
 従来はクレジットカード決済端末という大きな機械を購入し、それを電話回線などにつなぐことでクレジットカード決済は行われていましたが、フィンテックを活用したモバイル決済では携帯電波で決済が出来るので、スマートフォンに最小限の器具を付けることでクレジットカード決済が出来ます。
 自動で家計簿が作れるクラウド家計簿もあります。クレジットカードのネット明細や電子マネーの利用履歴などをひとまとめにし、自動で家計簿を付けてくれる仕組みが出てきました。
 これらのサービスを使うと銀行口座残高、収入、食費や交際費などの支出などが一目瞭然でわかるようになるため、会社の経費管理にも活用できるようになります。
複数枚のクレジットカードやポイントカードを1枚の電子カードにまとめた、ユニバーサルクレジットカードもできています。
 LINEやFacebook経由でお金を送金できるようになったり、指紋認証だけで店頭での支払いができるようになったりと、今後もフィンテック分野の技術革新が行われていけば世の中がグッと便利になっていくものと思います。病院の窓口での支払いも効率的になり、未収金も無くなるかもしれません。期待しましょう!


 FIRE
R4.6月号
 読み方は「ファイア」ですが「火」の意味ではなく「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、「経済的自立」と「早期リタイア」を意味する言葉です。
 元々は欧米を中心に流行していた考え方で、最近、日本でも注目されるようになりました。
 以前の日本では定年まで働き続けることが当たり前で、早期リタイアという考え方は馴染みがありませんでした。
 しかし、最近では働き方の概念が大きく変わり、FIREもライフスタイルのひとつとして注目を集めるようになっています。
 FIREにおける経済的自立では、資産運用が前提となっています。若いうちに働いて投資元本を蓄財し、“運用益で生活できる”目途が立った段階でリタイアするのです。
 毎年の生活費の水準は人によって異なります。例えば、車や家などに関心がなく、出費の少ない生活で充分な方は、多額の貯蓄を築かなくともFIREを実現できると考えられています。毎年、運用益の範囲で生活し、なるべく投資元本を減らさないようにすることで、長生きリスクにも対応は可能です。
 早期リタイアして不労所得で自由に生活するFIREに魅力を感じる人も多いと思いますが、そもそも運用益が想定通りに得られるとは限らないことや、病気やケガ、介護などの想定外の出費によって、計画した運用益の範囲で年間支出をまかなうことができなくなる可能性があること、再就職をしなければならなくなった際にはキャリア不足に陥る可能性があることなど、問題を指摘する声もあります。


 FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)
H20.5月号
 人間が何か作業をする以上、ヒューマンエラーは必ず発生する。FMEAとは、事前に予想されるあらゆる故障モードを列挙し、その中から周囲への影響度の高い故障モードを抽出し、事前に対策を講じようとする信頼性解析の手法である。

 多く存在するエラーの中でも影響度の高いエラーは少なく、重点的に対策すればエラーの大半が防止できるという経験則に裏付けられている。簡単な対策から講じよう、出来るところから対策しようとするとそれほど重要でないエラーに対する対策のみが選ばれ、本来真っ先に対策を取るべき重要なエラーが放置されて残ってしまうということが少なくない。

 医療分野においてもFMEAを用いて医療活動の中で発生するトラブル原因を網羅し、影響の高い原因を絞り込み、重点的に対策することで効果的な医療事故防止活動に役立つことが期待されている。実際、アメリカではHFMEAとして医療用に改良され、広く利用され始めている。