VPD (ワクチンで防ぐことのできる病気) |
H26.2月号 |
VPD(Vaccine Preventable Disease)は、「ワクチンで防ぐことのできる病気」という意味です。ポリオや結核、麻疹、B型肝炎、ロタウイルス胃腸炎、ヒブ感染症、破傷風、百日咳などをはじめ、多くのVPDがあります。
マラリヤやデング熱のようにワクチンがないために有効な予防ができず、多くの命を奪っている感染症も少なくありません。しかし、せっかくワクチンがあっても接種しなければ、予防できません。
昨年、風疹が流行し、妊婦が感染すると、生まれてくる子どもが難聴などの「先天性風疹症候群」になる可能性があることから、大きな問題になりました。流行の中心になったの、は風疹の予防接種を受ける機会が少なかった20~40歳代の男性です。
国は、妊娠可能な対象として中学生女子に接種して罹患率を下げるというこれまでの施策を、幼児全接種にして流行そのものを抑えるという施策に変えました。接種率が上がり、病気自体を排除することができれば、理想的です。
また、子宮頸がん予防ワクチンの接種後にさまざまな副作用が出たことから、国は「定期接種には残すが、積極的な勧奨をやめる」措置をとりました。
予防接種には接種しないリスクと接種するリスクがあります。副作用情報で不安にさせるだけでなく、「予防接種とは何か、ワクチンとはどういうものか、ワクチンでどんな疾患が防げるのか」
などの情報提供を適切に行うことが重要でしょう。副作用がないワクチンの開発が待たれますが、それまでは、ワクチンによる健康被害救済制度の充実も必要です。
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WHO (World Health Organization) 世界保健機関 |
R2.6月号 |
WHOは1948年に設立され、国連システムの中にあって保健について指示を与え、
調整する機関です。WHOは、グローバルな保健問題についてリーダーシップを発揮し、健康に関する研究課題を作成し、規範や基準を設定します。また、証拠に基づく政策選択肢を明確にし、
加盟国へ技術的支援を行い、健康志向を監視、評価します。その政策決定機関は世界保健総会で、毎年開催され、194全加盟国の代表が出席します。
執行理事会は保健の分野で技術的に資格のある34人のメンバーで構成されています。150カ国以上の国々の国籍を有するおよそ8,000人の職員が、150の国別事務所、ジュネーブ本部、
ブラジル、コンゴ、ワシントンDC、カイロ(エジプト)、コペンハーゲン(デンマーク)、ニューデリー(インド)、マニラ(フィリピン)所在の6地域事務所で働いています。
2012-2013年度事業計画予算額は39億ドル強で、そのうちの9億4900万ドルは加盟国の分担金(通常予算)で、残りは任意の拠出金で成り立っています。
現在の事務局長は テドロス・アダノム(エチオピア)で2017年7月1日に就任し、任期は2022年6月30日までです。
加盟国は、世界6つの地域(アフリカ、米州、南東アジア、欧州、東地中海、西太平洋地域)のいずれかに属し、各地域には地域事務局があります。
日本は1951年5月に加盟し、西太平洋地域(30加盟国、マニラに事務局)に所属しています。WHO加盟国として、WHO総会や我が国が所属するWHO西太平洋地域の各種会合に積極的に参加し、
我が国の保健医療分野の対策に資するべく国際的な情報を入手すると共に、世界の保健課題への貢献も行っています。
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