今月のキーワード
心理的安全性の再定義
これまで心理的安全性は「否定されない」「叱られない」環境として解釈されがちでした。その結果、耳の痛い指摘や異論が控えられ、意思決定の質が低下する、いわゆる“ぬるま湯化”が起きるケースも少なくありませんでした。再定義では心理的安全性は甘さや配慮の多さではなく、リスクを取った発言や挑戦が許容されることに本質があるとされています。具体的には、①異論や失敗を個人攻撃ではなく学習機会として扱う ②役職や専門職に関係なく事実・データに基づく意見が尊重される ③期待水準や成果責任が明確に示されている、という三点が同時に成立している状態を指します。重要なのは「何を言ってもよい」ではなく、「組織の目的達成に資する発言が歓迎される」という前提です。
この再定義において管理職の役割は場を和ませることではなく、対話の質を設計することです。発言を引き出す問いを投げ、意見の衝突を整理し、最終的な意思決定と責任を引き受けます。心理的安全性の再定義では「放置して生まれる雰囲気ではなく、成果志向のマネジメントによって意図的につくられる組織基盤」という点が強調されています。
