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 災害医療のキーワード、CSCAとTTT
H29.2月号
 災害医療を語る際にCSCAとTTTがキーワードとなる。CSCAというのは、最初のCがcommand & controlで、まずは指揮命令系統を確立せよということである。災害医療の現場は大混乱になる。自分が誰の指揮下で活動し、どのチームと連携をしているのかを把握していなければ、混乱するだろう。そのため、現場に到着した場合には、現場の上位組織に到着報告をし、指揮下に入る、もしくは指揮する側になる必要がある。次のSは Safetyである。このSafetyは、Self、Scene、Survivorといい、自分自身の安全、Sceneは現場、そしてSurvivor傷病者である。 SelfとScene、自分と現場の安全を順に確保し、その後Survivor にアプローチせよということになり、とにかく安全を確保するということを非常に重要視している。3番目のCはCommunication情報であるが、東日本大震災でも、情報が災害を制するということを思い知らされたそうだ。情報があれば、限られた医療資源をどこに有効に配分すればいいかということがわかる。いかなる情報をどこから集めるかということがこのCommunicationということになる。 4つ目のAが、集めた情報をいかに 評価(Assessment)して、そしてTTT 、Triage(トリアージ)、Treatment(治療)、Transport(搬送)のストラテジー(戦略)を立てるかというところが非常に重要になるということになる。 
 災害医療では「一人でも多くの傷病者を生命の危険から脱するためには、どう行動したらよいのか」ということが求められる。限られた医療資源で、どう行動をしなければいけないのか? 医療者として全力で生命と向き合い、正しい知識を持って、医療処置を行っていく、そして、その周辺の環境整備が重要となる。      

文献:小井土 雄一:災害医療 ドクターサロン56巻11月号(10. 2012)


 災害派遣精神医療チーム「DPAT」
R1.6月号
 災害派遣精神医療チームDPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team:以下DPAT)とは大規模災害などで被災した精神科病院の患者への対応や、被災者のPost-traumatic Stress Disorder ; PTSD)を初めとする精神疾患発症の予防などを支援する専門チームである。
 自然災害や犯罪事件・航空機・列車事故等の集団災害が発生した場合、被災地域の精神保健医療機能が一時的に低下し、さらに災害ストレス等により新たに精神的問題が生じる等、精神保健医療への需要が拡大する。このような災害の場合には、被災地域の精神保健医療ニーズの把握、他の保健医療体制との連携、各種関係機関等とのマネージメント、専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援が必要である。
 東日本大震災に際して、自治体や医療機関から精神科医を中心とする「こころのケアチーム」が派遣され、被災地住民のメンタルヘルスのための「こころのケア」活動を行った。しかし、事前に組織化された活動ではなかったため、現場での活動に課題を残した。そこで国(厚生労働省)は、災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team ; DMAT ディーマット)の名称や活動要領も参考に、全国的に統一したDPATの名称や定義を定めた。
 現在では上記の活動を行うために専門的な研修・訓練を受けた「精神科医師」「看護師」「薬剤師」「精神保健福祉士」「臨床心理技術者」などによるチームが都道府県及び政令指定都市によって組織されている。


 在宅療養支援診療所
H18.5月号
 高齢者ができる限り住み慣れた地域で療養しながら生活を送れるよう、また身近な人に囲まれて在宅での最後を迎えることも選択できるよう、医療機能の分化・連携を推進する視点から診療報酬上の制度として今次改定で新たに設けられた。

 要件としては、①診療所において24時間連絡を受ける医師又は看護職員を配置し、その連絡先を文書で患家に交付していること。②他医療機関の医師、訪問看護ステーション等の連携により24時間往診・訪問看護ができる体制、緊急入院を受け入れる体制が確保されていること。③医療・介護サービスとの連携を担当する介護支援専門員等と連携していること。

 さらに診療報酬としては、在宅療養支援診療所と連携している病院では、地域連携退院時共同指導料が算定できる。また200床未満の病院では、在宅時医学総合診療料が新設された。在宅療養支援診療所においてはターミナルケア加算が大幅に引き上げられており、入院から在宅療養への移行が促進されている。


 在留資格「特定技能」
H31.4月号
 少子・超高齢社会の到来による人材不足の深刻化に対応するため、介護分野を含んだ特定産業分野(14分野)における在留資格「特定技能」が今年4月に開始されました。そのなかには、相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格「特定技能1号」と、熟練した技能を要する業務に従事する外国人向け在留資格「特定技能2号」があります。
 「特定技能1号」は、技能実習2号を修了した外国人は試験なく認められ、そのほかは技能試験及び日本語試験に合格した外国人が認められ、現在のところ通算5年まで滞在でき、家族の帯同は認められません。海外でも試験が実施されます。
 さらに、熟練した技能水準、日本語能力ともに試験で確認されれば、配偶者や子どもの帯同が可能となる「特定技能2号」になります。(「特定技能2号」は、建設、造船・舶用工業の2分野のみ受け入れ可で、今のところ介護は該当しない。)
 このほかに、介護に従事する外国人の受け入れは、技術や専門レベルを問わない「技能実習」(介護)、インドネシア・フィリピン・ベトナムとのEPA(経済連携協定)に基づくものと、留学生として学校に通いながら週28時間まで働く外国人や資格取得後に介護福祉士として業務に従事する在留資格「介護」があります。
 いずれの場合も、介護福祉士試験に合格すれば、永住の道が開かれるようです。


 サーチュイン(sirtuin.SIRT1)長寿遺伝子
H23.8月号
 サーチュインとは、NAD依存性脱アセチル化酵素群であり、体内で非常に重要な役割を担っている酵素群(たんぱく質)である。酵母では「Sir2」、マウス(実験動物)では「Sirt1」、ヒトにおいては「SIRT1」と表記して区別する。
 発見したのはマサチューセッツ工科大学生物学部のレオナルド・ギャランテ教授である。このサーチュインでショウジョウバエの寿命は30%向上、線虫の寿命は50%も増加したそうである。
 「サーチュイン長寿遺伝子」は老化を遅らせ寿命をのばすものであり、ヒトであれば10番目の染色体に存在する。
 サーチュイン遺伝子は普段活性化していない。活性化する引き金を引くのは「少ない食料」であること。食事のカロリーを制限したときに強力に活性化するそうだ。これは、生物として食料が少なくなると子孫を作ることよりも体を維持しようと働く本能から生じる。
 サーチュイン遺伝子が活性化すると、細胞の若返りや代謝の増進をはじめとする、老化を抑制するさまざま効果がはたらくとされる。このため、サーチュイン遺伝子を活性化させることで寿命を延ばすことが可能になる、と期待されている。
 日頃からエコモードで暮らしていくことによって元気で楽しく長生きすることができるようだ。また、ワインなどに含まれるポリフェノールの一種、「レスベラトロール」と呼ばれる物質には、サーチュイン遺伝子の働きを活発化する効果があると言われている。


 里山資本主義
H26.11月号
 人と人とが「つながること」で、地域に眠っていたものに新たな価値を見い出し、その資源を大切に使い、融通し合うことにより、持続可能で豊かな生活を実現する。この考え方を里山資本主義といい、お金が一番大事だという「マネー資本主義」からお金に依存しないサブシステムを再構築しようとする考え方である。
  岡山県の真庭にある集成材を造る工場では製造過程で出てくる木くずで発電し、工場の電気を全て賄っている。さらに現在では、地域の間伐材等を使い真庭市の殆どの電気を供給することができる発電所の建築が進んでいる。こうした取り組みは真庭地域の経済を活性化し、人口減少の歯止めになると期待されている。
  医療も、自由な競争、無限の消費は、たちまち医療資源の枯渇を招くことになる。今後、超高齢化社会に直面する地域の医療・福祉は、限られた人材や財源を上手くやりくりしなければ持続可能なサービスを提供し続けることは困難である。
 これからの地域コミュニティと地域医療・福祉の関わりは、さまざまな地域資源を活用する里山資本主義的な視点で考えることが大切である。


 サブスクリプション「サブスク」
R2.3月号
 定額料金を支払うことで、一か月や一年などの一定期間サービスを使う「権利」を得られるビジネスモデルのことをいう。従来は、商品やサービスに対して対価を支払って「所有」することが主だった。「使用する権利」に対価が発生するため、サービスの提供者側は継続的な収入を得ることが可能になり、使用者側はいつでも解約が可能で無駄にものを増やすことのない環境が実現するメリットがある。
 動画配信の「ネットフリックス」は世界190か国で1.4億人の会員がおり、楽曲4000万曲以上が聴ける「スポティファイ」も約80か国で利用されている。日本では洋服や車、家電製品など「モノ」の分野での新サービスも始まっている。
  • 車を年単位で借り、事情によっては解約金無しで中途解約できる。
  • ヴィトン、エルメス、グッチなど有名ブランドのバッグを交換利用し放題。
  • 1回で3つまでのアクセサリーが借りられ、交換利用し放題。
  • ビューティーアドバイザーが500以上のブランドから自分に合うコスメをセレクトして毎月BOXに詰めて届けてくれる。
  • 「新作新品」のアイテムの洋服を何度でも借りることが可能。
  • 1か月分のワイシャツを借りて、自分でクリーニングする必要もなく、使い終わったら返却するだけ。
  • およそ600種類のカメラ機材が入れ替えでき、交換利用し放題。
  • 0歳~3歳の子供を対象に、成長に合わせたおもちゃや知育玩具を交換利用し放題。
  • リクルートグループが運営する婚活アプリで、手軽にしっかり婚活できる。
  • 医師に体の気になることを定期的にPC・スマホを通じて、相談し放題。

 サブプライムローン問題
H19.11月号
○サブプライムローンとは
 サブプライムローンは米国の低所得者層を対象とした住宅ローンで、一般的に最初の2年ほどは金利が低く固定され、その後金利が大幅に高くなる仕組みになっています。そのため利用者は購入した住宅の価格が値上がりした時点で、その住宅を担保にしてローンを借り増して対応したり、信用力の高い個人向けのプライムローンに借り換えを行う等で、金利負担を軽減する措置を取るのが一般的となっています。

○問題は何故起こったか
 米国で2004年頃から普及・拡大してきた住宅ブームが2006年に終わり、住宅価格が上昇から下落に転じたことや金利の引き上げにより、前記のような借り増しや借り換えができず、ローンの返済に行き詰まるケースが続出し、破綻するサブプライムローンが急増したことから問題化しました。

○何故経済に悪影響を及ぼしたのか
 住宅ローン会社は、その債権を小口証券化して売り出しており、多くのヘッジファンドや金融機関が関係しています。こうしてサブプライムローンに関連した投資が広がる中、昨年から今年にかけて同ローンの焦げ付きが増加し、証券価格が大きく下落。住宅ローン会社の破綻が続発し、投資していたヘッジファンドもその資金を提供した金融機関も連鎖的に損失を被ることになり経済に悪影響が出ました。


 サルコペニア
H30.5月号
 サルコペニアとは、加齢や疾患により、筋肉量が減少することで、握力や下肢筋・体幹筋など全身の「筋力低下が起こること」を指します。または、歩くスピードが遅くなる、杖や手すりが必要になるなど、「身体機能の低下が起こること」を指します。
 サルコペニアはギリシア語で骨格筋の減少を意味し、サルコ(筋肉)とペニア(減少)の造語です。一方、加齢に伴い心身が虚弱化した状態ではあるが、適切な対応により健常化する可能性のある状態をフレイルといいます。
 個人差はありますが、40歳前後から徐々に筋肉量の減少傾向が見られ、その傾向は加齢に伴って加速化していきます。とくに高齢者においてはその速度はますます高まり、1年で5%以上の減少率となる例もあります。
 サルコペニアは、加齢以外にも、日常生活動作や疾患、栄養状態によっても起こります。
①寝たきりの生活や活動性が低下することによって起こる廃用によるもの
②がんや虚血性心不全、末期腎不全、内分泌疾患などの疾患によるもの
③栄養の吸収不良、消化管疾患や薬の副作用による食欲不振、エネルギー・タンパク質の摂取不足によるもの
 があります。
 サルコペニアを早期発見するために、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢氏らが考案したのが、「指輪っかテスト」という自己評価法です。両手の親指と人さし指で輪っかをつくり、ふくらはぎの最も太い部分を囲み、指のあまり具合をみるだけ。①囲めない ②ちょうど囲める ③隙間ができる と評価し、③の場合は筋肉量が少なくなっており、サルコペニアの疑いがあります。お試しください。


 ジェンダーフリー
H16.1月号
 人間は一人ひとり違っている。それを女であるか、男であるかということによって生き方、考え方、習慣や役割まで固定的に伝統的な枠にはめてしまう性の区別の仕方が、ジェンダー(社会的・文化的に形成された性別)である。

 これは、セックス(生物学的性差)とは違い、生後に社会や文化によって作られたもので、時代によって変化していくものである。

 ジェンダーフリーとは、ジェンダーに縛られず、「女らしさ」「男らしさ」という固定化された性役割からフリーになることである。
 以上がジェンダフリーの考えである。
        
 以下は私見であるが、たしかに男と女は対等で平等だ。しかしこの考えの最大の欠点は、性差をどこまで考えるか、或いは許すかということが人によってバラバラで、結局は自分の都合の良いところで落とし所を見つけている点だ。
 
 ということは、行き過ぎた考えを持つ人は性差をも否定することになりかねないのではないだろうか?


事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)
  事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)
H25.5月号
 BCPとは自然災害やテロなどの不測の事態において、企業の事業継続をはかるための方針や手続きを示した計画のことです。BCMとはそのような自然災害や不測の事態による様々なリスクに対して迅速かつ効果的に対処し、事業活動の継続性を確保するための戦略的な運営管理手法のことです。
  具体的にいえば、BCMはBCPの実行に必要な準備・資源の導入などについて、PDCAサイクルで見直し、管理する仕組みを意味します。
  実際、そのような不測の事態においては、より実践的な形でBCMが整備されていないと、BCPが単なる紙上の計画に終わってしまうかもしれません。
  欧米の企業では、早くから不測の事態に対する備え、災害時復旧計画などの枠組みでBCPの策定が行われきました。
  BCPが国際的にも広く注目されるようになってきたのは、ニューヨークの9・11同時テロ事件以降であるといえます。被害にあった企業の多くがバックアップセンターを備えていたため、事業継続に成功したことが大きな話題になりました。
  国内では、この事件を契機としてBCPに関する検討が進められ、2005年に中央防災会議から「事業継続ガイドライン」が公表され、2006年には中小企業庁から中小企業の経営者が過度な負担なく自社BCPを自力で策定運用できるようにするための、「中小企業BCP策定運用指針」が公表されました。現在、BCPの策定は企業の社会的責任(CSR)として位置づけられています。


 地震、雷、火事、親父
H25.12月号
 地震、雷、火事、親父(台風)、これは世の中の恐ろしいものを並べたことわざです。
  最近では、記録的な大雨や竜巻まで起こり、今まで想定していなかった大きな被害を受けています。いつ起きるか分からない地震、ある程度予測の立つ雷や台風などは早めの対策が可能ですが、その対策も、これからは災害発生時の避難を含めて、今まで以上のことを想定して講じていかなければなりません。
  また、火事となると、特に病院の火事となると避難対策のみでは万全とはいえず、火事を発生させない細心の注意や対策が必要です。古くなった電気器具からの漏電はないか、掃除が行き届いていない埃まみれのプラグはないか、電気のコードを束にしたまま使用していないか等々。今は敷地内禁煙を実施している病院が多いため、タバコの火の不始末は少ないでしょうが、油断は禁物です。火事は発生したとき、初期消火を含めてその対策は必要ですが、何よりも大切なことは、火事を絶対に起こさないことにあの手この手と対策を講ずるべきでありましょう。
  地震、雷、火事、親父。古くなったことわざのようですが、なぜか、新鮮なことわざのような気がします。


 自炊
H23.5月号
 自炊といっても、料理を自分ですることではない。本を裁断し、スキャナで取り込んで、自分で電子書籍を作ることである。自分でコンピューターに吸い上げる「自吸い」が語源らしい。自炊専用の裁断機やスキャナが販売されており、背表紙をばっさり切断して、両面同時スキャナでスピーディにパソコンに取り込むことができる。本を切断することに抵抗がある人も多いと思う。 しかし、捨てるに捨てられなかった書籍を取り込んで溢れかえっていた書斎の書棚をスッキリさせたという人、重くて持ち歩くのが大変だった医学書や患者さんへの説明情報をiPad等に入れて持ち歩いている医師が最近増えてきた。書籍のスペースと重さが気にならないだけでなく、パソコン画面上で文字を大きくして読めるという利点もある。
 電子書籍が広まると、紙の書籍が購入されなくなるだろうか。医療関連情報や、雑誌、新聞などスピードが求められ、時が経てば不要となるものは最初から電子書籍にとって代わられるかもしれない。しかし、紙の質感、手に取って読む感覚は他に代えがたいので、書籍はなくならないだろう。文学書は、手に取ってページをめくりながら読みたい。


 次世代医療基盤法
(医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律)
H30.9月号
 カルテや検査データなど医療機関などが持つ患者の医療情報を匿名加工し、大学や企業での研究開発などでの活用ができるようにするための法律で、今年の5月11日から施行された。収集した医療情報をビッグデータとして分析しやすくなり、政策立案や創薬、医療機器開発などに活用できるようになる。
 (1)医療機関が医療情報を収集しやすくする (2)医療機関が持つ医療情報を収集し、匿名化する「認定匿名加工情報作成事業者」を認定する―という2点が大きな特徴である。
 昨年施行された改正個人情報保護法では、医療情報の多くは「要配慮個人情報」とされ、医療機関外に持ち出す場合には、目的を明確にして患者の本人同意を得ることが必要になった。医療情報の利活用に当たり、改正個人情報保護法が「ブレーキ」に例えられるのに対し、次世代医療基盤法は「アクセル」に例えられる。
 次世代医療基盤法では、患者本人が反対しなければ同意したとみなして医療情報を第三者である認定事業者に提供できるようになった。また、本人同意があれば、個人の健康・医療・介護の経年的なデータを統合し、医療・介護職等に提供することができる。
 大量の医療情報を活用することで、AIを活用した診断支援ソフトの開発、患者個別に合った最適治療の提供、異なる医療機関や領域の情報を統合した治療成績の評価、新薬の研究開発、医薬品等の安全対策の向上、地域の医療ニーズ分析と提供体制の検討、診療報酬・費用対効果評価の検討などに役立てられると考えられている。


 疾病X
R6.10月号
 幾分謎めいた名称は、現在知られていないが深刻な脅威となる病原体が引き起こす疾病を指す。WHOが2017年、最優先と見なされる研究対象のリストにこの疾病Xを加えた。リストには重症急性呼吸器症候群やエボラウイルス病も含まれる。スイスで開催されている世界経済フォーラム年次総会の議題にも上がった。
 19年末から広がり始めた新型コロナも疾病Xの一例だ。野生動物が持つウイルスは数多くあり、これらがヒトを含めて感染拡大していくことで、人類が免疫を持たない感染症はさらに増える可能性がある。
 疾病Xを研究する必要があるのはWHOが指摘するように、「横断的な研究開発上の早期準備を可能にするため」だ。対策の必要性を思い知らせたのは、西アフリカで流行した当時エボラ出血熱と呼ばれた病だ。数十年にわたる研究にもかかわらず、危機発生時に活用できる製品がなく、1万1000人以上が命を落とした。しかし疾病Xに備える17年以降の準備が功を奏し、新型コロナを引き起こしたウイルスの遺伝子配列が発表されてからわずか326日で、初のコロナワクチンが認可された。現在、感染症流行対策イノベーション連合などはより早急な対応を可能にするため、100日以内でのワクチン開発を目指している。



 社会医療法人
H19.2月号
医療法人内の新しい区分の1つ。
医療法人が地域医療の主役を担っている現状は既に存在しているが、最近では、公益性の高い医療を担ってきた自治体病院が三位一体改革や地方財政の逼迫化により、赤字体質の慢性化という非効率的な状況、医療機関自体の閉鎖に陥ってきている。 そこで、今後は医療法人に地域医療の主役を本格的に担いつつ、医療法人の運営上の知恵を活かし、効率的に取り組めると考え、平成18年に医療法を改正。平成19年度より社会医療法人という新しい法人類型が創設されることとなった。
社会医療法人の特徴としては下記の通り。
・ 公益性の高い医療を担うことができる
・ 指定管理者制度の有力候補として新医療計画などによる支援を受けられる
・ 財務監査が義務化
・ 社会医療法人債(公募債)の発行が可能
・ 社会福祉事業の運営が可能
・ 役員の給与制限、自己資本比率、理事長要件などの緩和
・ 重要事項の決定は、外部の専門家を含めた評議会で行なう

また、特別医療法人の受け皿としても機能することとなり、特別医療法人
は発展解消のうえ、2012年(平成24年)3月に廃止される予定。


特定・特別医療法人との比較

  特定医療法人 特別医療法人 社会医療法人
根拠法 租税特別措置法 医療法 医療法
認可・承認 国税庁長官の承認 都道県知事による
定款変更の認可
都道県知事による
定款変更の認可
要 件 医療法人のうち、
・財団又は持分の定めの無い社団
・自由診療の制限
・同族役員の制限
・差額ベッドの制限
・給与の制限(年間3600万円以下)
医療法人のうち、
・財団又は持分の定めの無い社団
・自由診療の制限
・同族役員の制限
・給与の制限(年間3600万円以下)
医療法人のうち、
・財団又は持分の定めの無い社団
・公益性の高い医療サービスを提供
・同族役員の制限
残余財産の帰属 国等に所属 国等に所属 国等に所属
法人税率 22% 30% 未定
収益業務の可否 ×
法人数 395 61


 #8000
H23.11月号
 小児救急電話相談をご存知でしょうか。子どもの急な病気に困ったら、全国どこからでも電話で「#8000」を押すとその地域の小児救急電話相談に繋がります。時間帯は地域によって異なりますが、岡山県内では平日は19:00~23:00、休日(土曜含む)は18:00~23:00の間、「#8000」を押すだけで、自動的に繋がります。携帯電話からも掛けられます。繋がらない場合は、086-272-9939も利用できます。
 小さな子どもを持つ保護者が休日・夜間の急な子どもの病気にどう対処したらよいのか、病院の診療を受けたほうがいいのか、判断に迷った時に、小児科医師・看護師への電話による相談ができるものです。急な発熱、けいれんなど具合が悪くなったときなど、適切なアドバイスが受けられます。おおむね15歳以下の子ども及びその保護者が利用対象者です。
 大人対象のものは、東京消防庁で始まりました。「#7119」ですが、これはまだ、東京のみの実施です。東京都が2010年に実施した調査によると救急隊の出動指令から病院に引き継ぐまでの平均時間は51分。医療機関に搬送された時点で「軽症」と判断された患者は約54%だそうです。急病やけがでパニックになり「119」に飛びつくのは仕方ありませんが、迷ったら相談できるシステムができれば、救急車の有効利用や夜間の救急医療従事者の負担軽減に繋がるのではないでしょうか。


重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
H26.4月号
 SFTSは2011年に初めて特定された新しいウイルス、SFTSウイルスによって引き起こされる病気だ。このウイルスを保有している野外のフタトゲチマダニ等のマダニに刺されることによって感染する。また、感染者の血液・体液との接触感染も報告されている。
  刺されてから6日~2週間後に発熱、倦怠感、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が現れ、重症の場合は、死に至ることもある。
  2009年3月~7月中旬にかけて中国中央部で原因不明の疾患が集団発生したことで本感染症の存在が明らかになり、2011年に原因ウイルスであるSFTSウイルスが確認された。中国では、フトゲチマダニやオウシマダニといったマダニ類からウイルスが見つかっていて、これらのマダニが活動期になる春から秋に患者が発生している。
  日本では2013年1月、SFTSウイルスによる症例(2012年秋に死亡、最近の海外渡航歴なし)が国内で初めて確認された。ウイルス自体は以前から国内に存在していたと考えられている。SFTSウイルスを媒介すると考えられているマダニ類は国内に広く分布し、2013年7月、岡山県で初めての「SFTS」が発生した。
*マダニ類に刺されないよう注意
・マダニは、主に草むらや藪・森林にいる。このような場所で長時間地面に直接寝転んだり、座ったりするのは止める
・草むらなどに入るときは、長袖、長ズボン、手袋、長靴等を着用する。また、色の薄い服はくっついたダニを見つけやすくなる
・服の上や肌の露出部分に、防虫スプレーを噴霧しておく
・地面や草むらに直に寝転んだり、腰を下ろしたり、服を置いたりするのは止める


 10万人の命を救うキャンペーン(100K Lives Campaign)
H26.3月号
 岡山労災病院長 清水信義先生が、広報誌「緑の風」2010.12.1号で既に述べられていることであるが、最近一部が一般紙に出ており、今回のキーワードで取り上げてみた。
10万人の命を救うキャンペーンは、米国IHIによって、医療過誤から10万人の患者を救うキャンペーンとして2005年1月から2006年6月までの18か月間、3,100の病院が参加して行われた。このキャンペーンにより122,300人の患者の命が助かったと推定された。次いで、2008年5月から、次のキャンペーンとして500万人(5M Lives Campaign)で開始されており、意図されなかった医療の障害全てに関するもの、もちろん死亡や傷害も含めたものを対象としている。
日本では、医療安全全国共同行動(いのちを守るパートナーズ)として、全国の病院が自主的に参加登録することにより実施されている。医療の質・安全の確保と向上を目的としている。目標は、1)危険薬の誤投与防止 2)周術期肺塞栓の防止 3)危険手技の安全な実施 4)医療関連感染症の防止 5)医療機器の安全な操作と管理 6)急変時の迅速な対応 7)事例要因分析から改善へ 8)患者・市民の医療参加 S)安全な手術-WHOの指針の遵守となっている。継続的にフォーラムが開催され、多くの病院の参加が期待されている。

 情報セキュリティシステム (ISO/IEC15408・27001)
H26.8月号
  いまや情報システムやインターネットは、組織運営に欠かせないものになっている。現在は、情報システムへの依存による利便性の向上と引き換えに、大きな危険性を抱え持つことになった。情報システムの停止による損失、顧客情報の漏洩による組織のブランドイメージの失墜など、情報セキュリティ上のリスクは、組織に大きな被害や影響をもたらす。多くの場合、被害や影響は院内に留まらず院外の関係者へも波及することとなる。
  組織にとって、情報セキュリティに対するリスクマネジメントは重要な経営課題のひとつと考えなければならない。特に、個人情報や顧客情報などの重要情報を取り扱う場合には、これを保護することは、組織にとっての社会的責務でもある。
 今日、情報セキュリティ対策は、世界的にも重要な経営課題であると認識されており、情報セキュリティ製品・システム評価基準(ISO/IEC15408)や情報セキュリティマネジメントシステムの認証基準(ISO/IEC27001)が、国際標準として規格化されている。情報セキュリティに係る主要な事故やトラブルとして、機密情報の漏洩・ 個人情報の流出・ホームページの改ざん・システムの停止・ ウイルスへの感染などのリスクが、組織の規模に関係なくどのような組織にも存在していることを認識し、これらのリスクを可能な限り軽減するために、適切な情報セキュリティ対策を導入する必要がある。


 賞味期限と消費期限
H16.2月号
 安全な食品を食べたくて、一番気になるのが食品の期限表示。「1日くらい過ぎていたって、大丈夫じゃないの?」って思うこともあるし、「心配だから捨てちゃえ!」って思うことも。

 さて、食品に表示されている日にちには、「賞味期限」「消費期限」「品質保持期限」など異なった表現がされている。どれも同じと思いがちだが、実は微妙に意味が違うのだ。

消費期限
 あまり日持ちのしない、ナマモノと言われる加工食品に対して表示されるもの。多くは5日以内に消費するべきものに対してつけられる。「購入後は冷蔵庫で保存」などの保存方法が同時に記入されている。 この日にちはギリギリではなく、多少安全策をとって期限表示を短めに設定してあるので、1日過ぎたからといってすぐ食中毒を起こすわけではないが、日にちの過ぎたものを食べて何かあれば、それは食べた人に責任があることになる。

賞味期限、品質保持期限
 この2つの意味はほぼ同じ。一般的に6日以上日持ちのする食品に使われる。書かれた保存方法を守った場合、おいしく食べられかつ食べきって欲しい日にち、という意味である。かなりゆとりのある期限日なので、多少過ぎても、品質は落ちるかもしれないが食べられるものが多い。


 職場コンシェルジュ
R1.7月号
  職場コンシェルジュとは、社内に常駐して従業員の周辺雑務などを支援するサービス全般を指し、大きく二つに分けられます。一つは、業務の中で発生する雑務を外部サービスに委託することで生産性の向上を目指すもの。もう一つは、平日にしかできない役所への問い合わせや、子どもの習い事のリサーチ、旅行の計画など、プライベートを充実させるためのもの。働き方改革が進むなかで、より充実した生活を送るための職場環境改善プログラムとして注目されているサービスです。
 あるコンサル会社が2017年に行った全国就業実態パネル調査によると、雇用者は仕事時間の14.7%を周辺雑務に費やしていたことが分かりました。周辺雑務やプライベートを充実させるためのリサーチなどを支援してくれる職場コンシェルジュ。休日を過ごすのにふさわしい場所のリサーチや資産運用のための情報収集など、プライベートで起こるさまざまなリサーチタスクを代行してくれるサービスもあります。あえて仕事とプライベートを切り分けず、包括的に支援することで、仕事にもプライベートにも全力投球できる環境づくりを目指します。
 働き方改革が進むなかで、残業時間の削減が多くの企業の課題となっています。とはいえ、やらなければならない仕事が減るわけではありません。企業は社内コンシェルジュのようなサービスを活用することで、従業員が本来の業務に集中できる環境を整え、生産性向上と従業員の幸福度を支援することができるのです。


 女性医療
H20.10月号
 「女性医療」という考えは1980年代に米国で注目されるようになり、その後、日本でも性の違いに配慮した医療への取り組みが始まった。従来、体や心の病気は男性も女性も同じように取り扱われてきたが実は疾患によってはその発症頻度や症状の出方が異なることがわかってきた。さらに薬剤によっては男性と女性で効果の出方などが異なることも明らかになり、性に配慮した疾患の診断、治療が必要になった。
 「女性医療」とは、単に臓器別の医療を行うのではなく、女性という性別を考慮した上で、女性の心と身体を総合的に診察する医療である。
 近年、女性のライフスタイルは目まぐるしく変化し家庭内や社会の一員としての役割が多く要求され、家庭内暴力や経済・心の問題など年々女性たちが担う問題は重く、多様になってきた。体の性だけでなく、社会の中で生活する女性としての性が健康状態に大きく影響している。
 「女性医療」は、主に女性医師による「女性外来診療」として行われる。まずじっくり話を聞いて患者の全体像を理解し、その後の専門外来への振り分けを主体とする入り口の役割と、むしろ紹介されて受診する専門外来の場合がある。
診療だけでなく心身の悩みについての相談や健康維持に役立つ講演活動も行われている。また、心理士による幅広い心理的ケアを行ったり、女性の生活面での問題解決に専門のソーシャルワーカーを配置する施設も増えてきた。


 新医師臨床研修制度
H18.10月号
 新医師臨床研修制度の基本理念は、「臨床研修は、医師が、医師としての人格を涵養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学および医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷または疾病に適切に対応できるよう、プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)を身に付けることの出来るものであること」とされている。

 臨床研修病院は、単独型・管理型・協力型臨床研修病院として指定される。臨床研修病院群は、管理型・協力型臨床研修病院及び臨床研修協力施設により構成される。

 新医師臨床研修制度の実施は、手上げ方式で、平成15年10月27日付で指定、平成16年4月からスタートした。

 研修医の処遇は、研修手当、時間外勤務および当直、社会保険・労働保険、医師賠償責任保険等、研修医に対する適切な処遇の確保を求めている。また、アルバイトについては雇用契約の中で禁止と規定することを求めている。

 制度が始まる前から危惧されていた医師の偏在など、大学よりの派遣医師の取り止めなどが多発し、「隠岐島の産婦人科医が居なくなった」等、医師不足が現実のものになり、定員増対策が実施されつつある。


 シンギュラリティ
R6.7月号
 シンギュラリティとは、自律的な人工知能(AI)の能力が人類の知性を超える「技術的特異点」のことを指します。シンギュラリティが到来すると、AIはAI自身でより賢いAIを作っていくといわれ、この段階のAIは人間と区別できない知性レベルにまで発達したAIになると言われています。
 人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイル氏が2045年にシンギュラリティに到達すると予測していることから、2045年問題とも呼ばれています。
 シンギュラリティは現時点ではあくまで仮説ですが、近年めざましい進歩を遂げているAIの開発状況や、ChatGPTなど日常生活に介入し個々人でも広く活用され始めた現状を踏まえると、十分に現実味のある予測といえます。
 シンギュラリティが起これば、人間の生活や社会は大きく変化します。具体的には、労働力が AI に置き換えられることによる雇用機会の縮小、ベーシックインカムなど社会制度の変容、身体機能の代替や健康寿命の伸長などが予測されています。
 仮にシンギュラリティが避けられないのであれば、コロナ禍を経て様々な生活や価値観が変わっていったように、その時代に適応できる方法を模索していかなければなりません。AIをどのように社会に活かすのか、どのように活用すれば人々が幸せになれるのかは、今後AI開発における大きな課題になりそうです。



 人口動態統計
R5.4月号
 英国ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏が長寿時代の生き方を説いた著書「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」で提言した言葉。

   人口動態統計は、出生、死亡、婚姻、離婚については「統計法」により、死産については「死産の届け出に関する規定」によって、それぞれ市区町村長に届けられる届け出書(人口動態調査票)などに基づいて作成されるものです。国勢調査が5年に1度の大々的な調査であるのに対して、人口動態調査は人口の日々の増減を反映しています。また、都道府県別の人口動態や、母親の年齢階級別出生率、死因別死亡率など細かく集計されていて、保健・福祉を担う厚生労働省ならではの特徴がみられる統計となっています。人口問題でよく耳にする「合計特殊出生率」もこの調査の関連統計として算出されているものです。
 人口動態統計(速報)の数値は、調査票の作成枚数であり、日本における日本人、日本における外国人、外国における日本人および前年以前に発生した事象をあらわしたものです。そのうち、日本における日本人についてまとめたものが人口動態統計月報(概数)となっており、この月報(概数)に若干の修正を加えたものが人口動態統計年報(確定数)です。
 厚生労働省が2023年2月28日に公表した人口動態統計(速報)では、2022年の国内死亡数は158万2,033人で、前年より12万9,744人(8.9%)増加しました。新型コロナによる死亡数は約3万9千人で前年(約1万5千人)より、約2万4千人増加しました。出産数は79万9,782人で、前年に比べ4万人以上減少したと報道されました。



 人生100年時代
H30.2月号
 英国ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏が長寿時代の生き方を説いた著書「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」で提言した言葉。

  グラットン氏は著書の中で、「過去200年間、人の平均寿命は伸び続けており、そこから導かれる予測によれば2107年には主な先進国では半数以上が100歳よりも長生きする」と語っている。そして、人が100年も健康に生きる社会が到来するとき、これまでの80歳程度という平均寿命を前提に考えられてきた3つの人生ステージ、「教育を受ける」「仕事をする」「引退して余生を過ごす」というライフコースは大きく見直さなければならないとしている。

  「人生100年時代」で重要性が増すものは3点を挙げられる。①教育(専門技能を高め、世界中の競合との差別化を実現する)②多様な働き方(70歳を超えて働くことを想定し、一人ひとりが独立した立場で職業について考える必要がある)③無形資産(お金だけでなく、経験や人的なネットワークが重要な資産となる)

  「人づくり革命」を掲げる政府は、2017年9月に「人生100年時代構想会議」を開催した。その中で、「人生100年時代」を踏まえて、「リカレント教育(生涯学習)の充実」「(特に大企業から中小企業などへの)転職・再就職の円滑化」「それらのベースとなる必要とされる人材像の明確化や確保・活用」「産業界として果たすべき役割」を1つのパッケージとして検討することの必要性をあげている。


 新素材
H25.7月号
 新素材とは、これまでの常織を打ち破る素材で、繊維、食品、金属等、あらゆる分野で開発が進んでいる。なかでも普段の生活になじみの深いものにヒートテックから形状記憶合金、調光ガラス、太陽電池、そしてランニングシューズのクッション材にいたるまで、次々と登場している。
 医療機器材料にあってもしかりである。まさに夢のような、究極の素材が次々と誕生している。なかでも、カーボンナノチューブのように、鋼鉄の数十倍の強さを持ち、いくら曲げても折れないほどしなやかで、薬品や高熱に耐え、電気や熱をよく伝える。コンピユータを今より数百倍高性能にし、エネルギー問題を解決する可能性まで秘めているといわれている。まさに夢の素材である。
 このような新素材が発見され、これからの医療機器にも登場してくるであろう期待感が新しい時代の到来を予感させる。
 そういえば、最近アメリカで特許を取った新素材のタオルに出会った。タオルを60℃のお湯にひたし、絞ったあと2度3度パンパンパンとはたいて首に巻くと、いきなりのひんやり感に変わる。今までのクールタッチの素材とは違った涼しさが続く。
 これから増えてくるであろう熱中症対策に効果ありや。


 信用スコア
R5.5月号
 信用スコアとは、年齢や性別、学歴、職歴、年収、生活習慣、交友関係、趣味など様々な個人情報をもとに、目に見えない「信用」を数値化して、その人がどの程度信用できるのかという信用度合いを表したものです。
 信用スコアは、スコアリングを希望する本人がスコアリングサービスに、自身に関する情報を登録することや、自身の購買情報、SNSの使用履歴などのデータを提供することで算出されます。信用スコア算出に用いるデータや計算過程は、サービスを提供する企業によって異なりますが、これらの情報から、AIや機械学習などの先端技術を活用してスコアの算出がされています。
 日本では、みずほ銀行とソフトバンクが共同出資した金融会社「J.Score(ジェイスコア)」が2017年に国内で初めてAI(人工知能)を利用した信用スコアの算出サービスを開始した他、NTTドコモやLINE、ヤフーなども信用スコアの算出サービスを始めています。
 信用スコアが高いと、低金利の借り入れができるなどの特典が得られる半面、経済力の差などで信用スコアが低くなると「できないこと」が増えて新たな差別や格差を生む可能性があります。一度低い評価を受けると負のスパイラルから抜け出せなくなる「バーチャルスラム」に陥る恐れも指摘されています。


 ストレスチェック制度
H27.7月号
 ストレスチェックの実施義務が、平成27年12月1日から施行される。
ストレスチェックの実施により労働者のメンタルヘルス不調の未然防止・労働者自身のストレスへの気づきを促す・ストレスの原因となる職場環境の改善につなげることが制度の目的となっている。(労働者50人未満の事業場は当分の間努力義務)
実施にあたり①実施責任者と方針の決定 ②担当者(衛生管理者、メンタルヘルス推進担当者など)による実施計画の策定・実施の管理 ③実施者(産業医など)のストレスチェック実施(企画及び結果の評価)面接指導の実施 ④実施事務従事者(産業保健スタッフ、事務職員など)調査票の回収、データ入力等の整備が必要となる。
ストレスチェック項目は、仕事のストレス要因・心身のストレス反応・周囲のサポートの3領域からなり、標準項目は57項目で「職業性ストレス簡易調査票」を参考にする。記録の保存は5年間、1年以内ごとに検査結果報告書を提出しなければならないとされている。
  実施後は、高ストレスと評価された者のうち、面接指導の申出を行わない労働者に対して、面接指導の申出勧奨を行うことが推奨されており、集団的な分析とその結果に基づく職場環境の改善を図る仕組みの検討等が努力義務となっている。


 スパイクス
H20.9月号
 スパイクスとはがんの診断結果や再発などの悪い知らせを少しでも良い形で患者や家族に伝えられるよう、医師が心得ておくべき六項目を示した情報提供術(SPIKES)のことである。
 スパイクスは六つのカテゴリーで構成されている。
① Setting
 時間や面談の環境を十分配慮し忙しくても立ったままでの話は避け、全体を落ち着いて見られる医療関係者を配置する。
② Perception
 患者の話をよく聴き、患者がどう病気や治療を理解しているかを知る。
③ Invitation 
 「悩みをわかってくれる」など患者に信頼され、患者に聞く耳を持ってもらう。
④ Knowledge 
 学会の診療指針などを正しく理解し、それに基づき適切な治療の情報を提供する。
⑤ Empathy 
 患者の状況に共感する。
⑥ Strategy&Summary 
 患者に今後どうすれば良いのかを具体的に提案し、追い詰めないように「困ったらいつでも連絡を」などと伝える。

 スパイクスは米臨床腫瘍学会(ASCO)の関係者が2000年代に入って考案したものであり、説明の不満や不信感をできるだけなくそうと、医師等のチームが治療関係者向けに普及活動を進めている。
          

 スマートコミュニティ
H24.12月号
 スマートコミュニティとは、電気やガスなどのエネルギー、水、情報といった都市生活に不可欠なものを、地域全体で賢く(スマート)使おうという環境配慮型都市のこと。
街全体の電力の有効利用や再生可能エネルギーの活用などを、都市の交通システムや住民のライフスタイル変革まで、複合的に組み合わせた社会システムをいう。
  これは、二酸化炭素(CО2)の排出量を抑え、公害などの環境問題への配慮と快適な生活を両立するために、ITや省エネなど多岐にわたる最先端の技術を組み合わせたシステムとしての社会インフラである。
  具体的には、太陽光発電や風力発電など自然条件で出力の安定しない再生可能エネルギーを大量導入する際に、電力系統との連携や需要の制御により、再生エネルギーの有効かつ効果的な利用を可能にする次世代送電網「スマートグリッド」。「蓄電池や省エネ家電」。 通信機能が付いた電力量計スマートメーターなどを組み込んだ「スマートハウス」。上水道や下水道、農業用水などをそれぞれ効率よく使う「水の仕組み」。「次世代自動車」。街中の各所で自動車の通行量を把握し、別の道や公共交通機関に誘導することで、渋滞を解消する「新型都市交通システム」などである。スマートコミュニティには公共サービスまで含めた、環境エネルギー分野の様々な技術やノウハウが投入される。
  現在、先進国から新興国まで世界中で構想されており、日本国内では「横浜スマートコミュニティ」「北九州スマートコミュニティ創造事業」「コミュニティ東北」などの事業が展開されている。


 スリー・グッド・シングス(Three Good Things)
R4.11月号
 スリー・グッド・シングスとは、アメリカの心理学者セリグマン博士が提唱した「ストレス解消方法」です。
 ストレスが解消されると「幸福度を上げる」効果もあるといわれている。その方法は、簡単で「寝る前にその日に起きた良いことを書き出す」のです。
 我々医療にかかわるものはこの3年近く新型コロナ禍により、心も、身体も、家庭も、職場でも大変なストレスを抱え込んでいます。
 一般的には、夜はゆっくりした気持ちになれる時間帯ですが、嫌な出来事も思い出しやすい時間帯と言われています。多くの人は嫌な出来事が強く印象に残ってしまいます。そうした時間帯に、その日の良かったことを思い出して、書き出すことで「毎日を前向きに明るい気持ちで終えることができるようになり、ストレスを解消する効果がある」と言われています。
 取り組みを続けることで、1.意識して良いことを見つけるようになり、前向きに考えられるようになる。2.良いことを思い出したり振り返ったりすることで、幸福度が上がる。3.幸福度が上がることでストレスがたまらなくなる。ストレスが解消される。4.日記でも同じ効果があるとされている。
 セリグマン博士は、このように提唱され、寝る前にその日の良かったことを3つ思い出し、自分で確認する。また、家族や友人と話し合うとか、日記に簡単に書くなども勧められています。


 先制医療(preemptive medicine)
R4.2月号
 遺伝的素因や生活習慣などの環境的要因に基づいて、特定の疾患に罹患するリスクが高いと思われる人を選別し、発症する前に適切に治療的な介入を行い、発症を未然に防ぐ、もしくは遅らせようという概念。
 従来の予防医学が集団を対象にしていたのに対して、先制医療はより個々人にフォーカスし、ゲノムやトランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームの解析情報、もしくはイメージング画像など各種バイオマーカーを用いて精密に予測・診断した上で、早期介入により発症の遅延や防止をするものと捉えられている。精密医療(precision medicine)の予防版という捉え方もある。
 2011年3月に科学技術振興機構研究開発戦略センターが「超高齢社会における先制医療の推進」とする戦略プロポーザルを公表して以来、政策などに関する議論の場で使われるようになった。同プロポーザルでは、①先制医療のための疾患の病因・発生病理の解明 ②バイオマーカー候補および治療技術シーズの探索・発見 ③バイオマーカー候補の絞り込みと治療技術シーズの臨床における有用性、安全性の評価 ④先制医療を社会へ適切に提供するための科学的検討の4つを課題として挙げている。


 センテナリアン(centenarian)・百寿者
R5.10月号
  センテナリアン・百寿者は100歳以上の長寿者のこと。
 国内のセンテナリアンは老人福祉法の制定された1963年は153人であった。その後1998年に1万158人、2003年に2万561人、2009年に4万399人、2022年に9万562人と増加している。国立社会保障・人口問題研究所の推計(死亡率が中位推計の場合)では、2050年に4万6千700人、2075年に7万1千500人と試算されている。
 110歳以上のスーパーセンテナリアンはセンテナリアン1千人に1人であり、115歳以上の長寿者は有史以来記録されているのは67人である。
 センテナリアンを対象とした全国調査によると、野菜・果物、肉、乳製品、魚など好き嫌いなく食べ、体重当たりの摂取カロリーが70歳の人と同等という結果が出ている。センテナリアンが病気知らずというわけではなく、東京都内に住むセンテナリアンの約300人を対象とした調査では、高血圧が最も多く約60%、糖尿病は6%と少ない状況である。
 センテナリアンはよく食べるといえるが、肥満も痩せすぎもほとんど見られず、糖尿病は例外的。糖尿病が少ないことが、「人生100年」のポイントのひとつと言われている。また、センテナリアンにはがんが驚くほど少ないこともわかっている。がん患者は10%程度で、日本人男性の3人に1人が、女性の2人に1人が、生涯でがんにかかることから、この事実は驚きだといわれている。


 総額表示方式(消費税相当額を含んだ支払総額)
H16.3月号
 消費税法の改正により、平成16年4月1日から、消費者に対する「値札」や「広告」などで価格表示する場合には、消費税相当額を含んだ支払総額を表示する「総額表示方式」が義務付けられる。

 病院の世界では診療報酬が非課税なので大きな影響はないが、検診や部屋代差額、診断書料、自由診療など一部の料金が対象となる。今後、人間ドックのパンフレットや部屋代差額の院内表示などには消費税込みの料金を表示しなければならない。

 表示の方法としては、次のような例が示されている。

[税抜き2000円の検診の場合]
 2100円
 2100円(税込み)
 2100円(本体価格2000円)
 2100円(うち消費税等100円)
 2100円(本体価格2000円、消費税等 100円)

 この改正に伴い、レジシステムをどうするかという問題が派生する。当局は値札や広告において総額表示を義務付けるものであって、レジシステムの変更まで義務付けるものではないといっている。しかし、複数のものの料金計算において、税抜き料金の和に1+税率を乗じるこれまでの計算と、それぞれ総額表示した料金の和は端数処理の関係で金額が違ってくることがある。システムの手直しは避けられないようだ。


 ソーシャル・レコグニション
R1.12月号
 「レコグニション(recognition)」とは、承認・認識という意味です。人事制度の中では、永年勤続表彰やMVPといった業績表彰が組織におけるレコグニション制度にあたります。これにソーシャルが加わった「ソーシャル・レコグニション」は、組織においてメンバー同士が互いを承認しあうこと、また、その仕組みのこと。最近では、社員同士が気軽に褒め合える社内向けのツールも登場し、社員のモチベーションアップや人事評価制度を補助する目的で導入する企業が増えています。
 人材不足と言われる現在、新たな人材の採用とあわせて、優秀な人材を流出させないための企業努力が必要になっています。従業員のエンゲージメントを高めるためには、昇給や昇格が有効と思われがちですが、一時的な幸福感は得られても永続的な愛社精神の高まりには結び付きません。昇給や昇格に代わる永続的なモチベーションアップ策として注目されているのが、ソーシャル・レコグニションです。
 世界的にも、ピアツーピアで感謝を伝えることのできるサービスや360度評価を活用したサービスが登場し、ソーシャル・レコグニションを職場環境の改善につなげようとする取り組みが増えています。
 ソーシャル・レコグニションの価値は、単に褒め合って気分を良くすることではなく、組織の中で自分の存在が肯定されることにあります。昇給・昇格による、大きいけれど一時的な幸福感と、称賛システムがもたらす、小さいけれど高頻度で内発的な幸福感。社員のエンゲージメントを高めるために企業ができることは、まだまだありそうです。
 

 尊厳死法制化
H21.2月号
 国会議員の間で、尊厳死の法制化を目指す超党派の「尊厳死法制化を考える議員連盟」が2005年の始めに発足している。

 東海大学付属病院で起きた安楽死事件は、入院中の昏睡状態に陥った末期の多発性骨髄腫患者に対して、家族が見かねて安楽死を依頼し、医師が塩化カリウムを静脈注射して死亡させたというものである。横浜地裁は、こうした積極的な安楽死が許容されるための要件として、医師の手によることを前提としつつ、Ⅰ)患者の耐え難い苦痛、Ⅱ)死が不可避で切迫していること、Ⅲ)肉体的苦痛緩和の努力がなされたこと、Ⅳ)安楽死を望む患者の医師の明示を挙げた。この事件で医師は殺人罪でとして有罪となったが、こうした毒物などによる積極的な生命の短縮はやはり正当化するのは難しいと思われる。

 安楽死や尊厳死は、一方で至尊であるべき生命を保護するという法の使命と、他方で苦痛や惨めな姿からの解放と安らぎの死への共感に基礎を置く法の寛容、という二つの精神にまたがる問題を提起する。

  わが国の国民文化を背景として医療関係者と患者・家族との間で、よき医療倫理と信頼関係のもとに解決していくのがよいのではなかろうか。
 そこで何よりも大切なことは、複数の医療関係者によるチーム医療体制をとって、患者・家族との十分な話し合いのもとに適切に対処していくことであろう。