平成17年度 県外病院合同見学
    海 老 名 総 合 病 院
所在地 神奈川県海老名市河原口
院 長 内山喜一郎 氏
病床数 425床(一般)
職員数 615名

 この病院は、昭和48年埼玉県で開設された特定医療法人ジャパン・メディカル・アライアンスを母体とし、昭和58年に海老名市においても事業展開された。19科425床の本院と別棟のマタニティーセンター、東日本循環器病院、平成17年2月外来診療部門を分離した海老名メディカルプラザを一体的に運営している。また、隣地に老健施設、特養を併設している。本院と道路を隔てた向かい側に設置されたメディカルプラザを中心に見学した。
 外来分離は、地域完結型医療を提供するために、本院と東日本循環器病院の外来を専門紹介外来へ移管し、本院の急性期入院機能を強化する方針のもと実施された。建物は3階建。1階は、初診・再診、再来受付機、薬局・会計、自動精算機がある。個室の受診科相談室がありプライバシーに配慮していた。薬局は院内調剤である。2階は、3診療科と、画像検査・中央処置・採血検査室である。3階は9診療科がある。コンパクトにまとまって、患者の動線が短い設計と感じた。診察表示を始め電子管理を行っている。
 海老名・東日本・メディカルプラザの3施設が電子カルテを共有している。業務の効率化と業務改革・職員意識改革が当初の目的であるが、将来は地域の診療所と医療連携ネットワークの構築が視野にあるそうだ。
 マタニティーセンターは本院、クリニックとは建物を別にし、医療と区分けをしている。年間千人の新生児が誕生している。本院は1階に人がいなくて寂しいが、外来空きスペースで救急を充実し、病棟は、多床室を個室化し、平均在院日数の短縮に取り組む計画とのことである。
 病院にとって外来診療部門の分離の意義は、①患者側の例えば2つの診療科を同時に受診したいというニーズを満たすこと。②厚生労働省の医療行政を分析し、今後の急性期特定病院としての必要条件(紹介率・入院/外来比・平均在院日数など)を満たすこと。この①・②の問題解決の答えを示す一つのモデルケースかもしれない。
 最後に、ジャパン・メディカル・アライアンスは、医療機関の中で初めて格付けを公表した法人である。

(岡山済生会総合病院 事務次長  清水雅人)