平成20年度 県外病院合同見学

 熊本リハビリテーション病院  
〔病院概要〕
所在地 熊本県菊池郡
開 設 昭和41年4月(前身)
昭和61年6月(現在)
理事長 丸田 秀一 氏
(熊本丸田会)
病院長 古閑 博明 氏
病床数 225床
(回復期リハ病床 110床)
(一般病床115床 このうち (亜急性期18床 開放病床40床))
診療科目 リハビリテーション科含め15科
平均在院
日   数
一般病棟18.5日 (平成19年度)
全体  43.2日 (平成19年度)

  
 熊本リハビリテーション病院は熊本大学付属病院などの急性期病院周辺に位置し地域的に恵まれた環境のなかで関連グループ施設との連携を強化している。回復期を中心に慢性期から在宅ケアまでの包括的な医療を提供する総合リハビリテーション病院である。
 昭和41年の整形外科病院の開業以来、一貫して「地域における本物の医療・保健・福祉の創造」という理念のもと、地域に密着した医療・福祉サービスの展開に努めてこられた。関連施設には整形外科専門病院『熊本整形外科病院』、介護老人保健施設『サンライズヒル』と訪問看護ステーション『ひまわり』がある。

 同病院はリハビリテーション専門病院として、早期退院・早期社会復帰を第一の目標に掲げている。医師・看護師・リハビリスタッフその他コメディカルがチームを組み、患者のニーズに合わせたアプローチを行っている。
 院長の古閑博明先生による沿革・概要の説明の後、リハビリテーション部副部長・理学療法士槌田義美先生から入院から退院までの係わり、地域完結型脳卒中診療体制実現への取り組みなどの説明を頂いた。急性期病院からの要望である『依頼から一週間以内に転院出来ること』、『転院までの期日を明確にすること』などに対し、「①転院前の受診の廃止、②入院受付窓口の一本化、③電話・FAXでの入院の申し込み受付」等の対策を行っていた。結果、一週間以内の転院日を、申し込みから3日以内に電話にて通知できるようになっている。このように病病連携・院診連携強化に力をそそいでいることが現在の経営状況に反映されていると思える。
 維持期リハビリは通所リハビリと訪問リハビリの連携を強化し、入院時からの情報を活用することでシームレスなサービスを提供している。特筆すべきは通所リハビリにおいて運動機能向上中心と生活機能向上中心のサービスを時間帯と場所を分けて提供している点である。この結果実利用者(登録者ベース)実績で一ヶ月当たり171名となっている。次に特定入院料算定と入院単価の比較説明を頂いた。それによると平成18年度実績一ヶ月平均で『亜急性期』入院料および『回復期リハビリ』入院料の算定が出来てない場合には1床あたり約2,850円もの入院料の減算となる。結果病院全体で年間には大幅な減収減益になってしまうという事実である。
 今回の見学で、熊本式とも呼んでいたが急性期病院と回復期リハビリ病院の連携医療の重要性が良く理解できた。自宅退院率70%前後という高さは自宅退院直前に擬似自宅体験の出来るトレーニング設備があることも寄与しているのではと思う。 今後の地域医療連携はどうあるべきか、また回復期を担う病院ではどのような取り組みが重要かという点で、とても参考になった。

 
 
 (佐藤病院  総務部長  藤原和真)