長野県厚生農業協同組合連合会 佐久総合病院


所在地
 長野県佐久市臼田197番地
統括院長
 伊澤 敏 氏
病床数
 821床
(一般604床・ICU20床・精神112床・回復期リハ40床・人間ドック45床)
診療科目
  総合診療科、各種内科、各種外科、小児科、整形外科、精神神経科等 29標榜診療科
関連施設
  小海分院、佐久老人保健施設、老人保健施設こうみ、小海診療所、訪問看護ステーション6か所、居宅介護支援事業所2か所

 長野県は、4つの三次医療圏に10の二次医療圏が設定されている。佐久総合病院は、二次・三次医療圏(東信ブロック)の拠点病院となっている。信濃川の上流、千曲川に沿った県の中東部にあり、冬場の雪はさほど多くない。通常の病院機能の他、在宅医療、健診、ヘルスプロモーション、研究、研修・教育、看護師養成まで広くカバーする複合体で、単なる病院ではなく保健・医療・福祉が一体化し、地域住民の要望に沿った運営を行ってきた。病床数は一般604床、精神科病床112床、回復期リハビリテーション40床など合計821床、標榜診療科29科、ドクターヘリを持つ救命救急センター、災害拠点病院、がんや周産期認知症などの各種センターとして政策的医療も担っている。開設当初から地域に入り込んだ病院として活動してきたため、紹介率の関係からか地域医療支援病院には承認されていない。
 お忙しい中、統括院長の伊澤 敏先生が、1日目は岩月俊一先生と病院の成り立ちについて熱く語られ、2日目は我々の疑問・質問に終始丁寧に回答してくださった。当病院の取り組みは、「佐久病院は『農民とともに』の精神で医療および文化活動をつうじ、住民のいのちと環境を守り、生きがいのある暮らしが実現できるような地域づくりと、国際保健医療への貢献を目指します」という理念と、伊澤院長の「今日あるのは若月先生のリーダーシップ、職員の士気と献身的な働き、地域との交流の賜物」とのお話で全てが分かり、原点に戻ることと理念を貫き通すことの重要性を改めて感じた。
 病院の分割・再構築に向け、来年3月には450床で、2次・3次救急医療及び専門医療を擁する診療機能を中心とした「佐久医療センター」を完成させ、現病院は300床で建て替えされる。
 生まれ変わり進化する佐久総合病院群が核となり、地域の医療機関との連携だけでなく文化活動などと併せて、地域づくり・街づくりが進められている様子に、医療機関が持つ力を改めて認識した。

(倉敷紀念病院 事務長 野田 裕)