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平成18年度 県外病院合同見学 |
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トヨタ記念病院
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トヨタ記念病院の見学は、概要説明、施設見学、質疑応答という構成で行われ、稲垣院長、安田副院長、山本事務長を中心に対応いただいた。トヨタ記念病院は、理念に「利用される方々の笑顔が私たちの誇りです」とあるように、世界のトヨタのメディカルサポート部として、徹底した品質=安全管理に基づいた地域に開かれた病院であることを実感した。それは、長期的ビジョン「メディカル・ケアランド構想」によく表れている。「メディカル・ケアランド構想」とは、豊田市平和町に医療、保健、福祉の包括的なサービスを提供できる町を創出すること、その中核的な役割をトヨタ記念病院が担うというものである。 近年の同病院の紹介件数(紹介率45%)と救急外来患者数(1日当り100人)の伸びの高さは、ビジョン実現のための目標を個々の職員が努力した成果であると思われる。 具体的には、救急車の断りゼロであるとか、地域連携に関しては、相互乗り入れを基本にスタッフ交流会の実施、紹介先の能力一覧表が作成されている。 山本事務長は説明で「働きがいのある病院であることが、医療の質、お客様満足度の向上、地域とのパートナーシップの向上につながる。職員満足度の向上が大変大切である」と言われたが、私がこの見学で一番参考になったのは、人材育成の充実度である。概要のプレゼンなので詳細を聞けていないのが残念だが、資格別職能要件を定めて、人材育成カルテをつくり、目標管理を行う。個々の職員がどのような目標を持ち、何を勉強したいかをコミュニケーションを通じてスキル表を作成する。また、職員満足度調査を実施し、その結果を冊子にして職員に配布するなど、絶えず改善に取り組んでいる姿勢は特質すべき点である。 IT関連については、富士通の電子カルテで内容はかなりカスタマイズされ、すっきりしたフォームになっている。それ以上に目を引いたのは、データの可視化に重点を置いていて、院内LANにより、病院、各科のデータがトップメニューに項目別(収入状況、紹介件数、患者数、疾病構造など)に整理され、クリックするだけでリアルタイムな数字を見ることができる。幹部と職員が経営、診療データを容易に共有できることは、目標達成へのベクトル合わせをする上で大変有用である。 施設は、外来クリニック、救急外来、PET/CTを見学した。外来分離がされているのであるが、紹介外来と救急外来は、外来クリニックでなく、中央棟で診察が行われ、差別化が図られている。フロアごとに配色が異なり、高齢者などがわかりやすいようにカラー別案内が行われている。院内各所の表示は大きく見やすいように設置が工夫されている。外来の待ち時間表示は、診察室ごと待ち時間表示がなされている。総合案内の壁面にトヨタ記念病院周辺の紹介先マップが大きく掲げられている。PET/CTでの診断を実施。カフェテリアにはホテル並みの雰囲気がある。 これらを実際に見学することができ、参加者は、今後の病院経営に大変参考になったと思われる。 (岡山済生会総合病院 事務部長心得 森本尚俊) |