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- 県外病院合同見学 2007福井
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平成19年度 県外病院合同見学 | |||||||||||||||||||||
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福井リハビリテーション病院
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福井リハビリテーション病院の見学は、合同見学の2日目の午前中に約2時間というスケジュールで行われた。三好院長、前波事務長、海道総看護師長、松田リハビリ部技師長、大滝グループ地域連携室渡辺室長より病院の概要説明を受け、それを踏まえた質疑応答を行い、最後に施設の見学をさせていただいた。 福井リハビリテーション病院は福井市中心部からは北西約6キロ、坂井市にほど近い場所に立地しており、福井市においては、65歳以上人口57,264人に対して医療療養病床が847床で、介護療養病床が497床、坂井市においては医療療養病床が91床で、介護療養病床が47床という状況である。そういった周辺環境にあり、福井リハビリテーション病院は、医療療養病床が76床で、介護療養病床が99床という病床構成で、医療療養病床においては医療区分2もしくは3の患者が全体の74%を占めており、介護療養病床の入院患者の平均要介護度は4.2である。なお回復期リハビリテーション病床は取得していない。 同病院は、医療法人穂仁会、(財)福井県労働衛生センター、(株)仁愛ケアサービス、(株)大滝メディカルサービスとから成る大滝グループの一病院であり、中心となる大滝病院と共に医療部門を担当している。医療法人穂仁会で運営する介護老人保健施設福井ケアセンター、軽費老人ホームケアハウス日光、グループホームけんとく、けんとくクリニックなどグループ内の各施設と密接に連携し、地域の医療・保健・福祉に貢献している。グループ内での連携では自己完結型の医療という側面が強く、今後の課題は、地域との連携をいかに強化していけるかということだった。 課題とされている地域との連携については、基本的には「在宅へ向けて」という方針のもと、地域完結型の医療を目指し取り組んでいるが、解決すべき問題も多々残されているとのことだった。 済生会、日赤、県立病院等の急性期病院からの受け入れについては、自院の入院判定会議の前に紹介元の病院に看護師、MSWが出向き、家族も交えてのカンファレンスを実施し、福井リハビリテーション病院としての考え方を理解してもらうよう努力している。しかし依然として、患者・家族の入院に対するニーズと現状のズレ、地域連携室担当者やMSWの知識・認識不足、また紹介元病院からの患者に関する情報不足といったことが原因のトラブルも発生しており、地域の他の医療機関との連携を深めるうえで、改善が必要な事案となっている。 同病院を退院した後に関しては、病院の方針として自宅退院を第一目標としている。また福井県は全国2位の長寿県であり、持ち家比率・同居率ともに高いという背景から患者・家族の自宅に帰りたいという希望が全体的に強いという事情もあり、退院前に在宅調整会議を行うなどして、積極的に在宅への復帰を推し進めている。その結果として平成18年度では自宅退院の割合は60%に達しており、退院後のサービスとしては、同院の通所サービス、ショートステイの順に多くなっている。しかし、転院患者の受け入れの場合と同様に退院に関しても、患者・家族の納得が得られない、退院後の受け入れ施設の不足などまだまだ現場での苦労が多いのが現状のようである。 他の療養型病院と同じく同病院においても、介護老人保健施設の医療強化を含めた介護療養病床の今後の動向・取り扱いには敏感になっており、今後の病院の運営については今後の医療・福祉政策を注意深く見極めながら、あらゆるケースを想定しつつ柔軟に対応していきたいとのことであった。 福井リハビリテーション病院のような在宅復帰を支援する療養型病院の現場の生の声を聞くことができ、急性期病院からの参加者も含めて大いに参考になったことと思われる。 (岡山済生会総合病院 経理係長 川上 健一) |