小倉リハビリテーション病院は、九州の玄関口である北九州市小倉北区に位置する、198床のリハビリテーション病院である。
 設立は昭和37年で、南小倉病院として47床の精神神経科病院でスタートした。その後は、昭和47年からの透析・高齢者医療を主とする介護力強化病床の時期を経て、平成10年よりリハビリ医療への転換を目指し機能を再編、平成13年の新病院の完成を機に、名称を「小倉リハビリテーション病院(以下、小倉リハ病院)」に改称、現在に至っている。見学風景
 「21世紀にふさわしい質の高い環境づくり」「穏やかで、活気のある療養環境づくり」「障害がある方々が自由に動けるよう配慮」「それぞれの部屋の特徴を明確に」「ご家族との団欒への配慮」をコンセプトとする建物は、外観とともに内部のコンクリート地の梁、病室の天井、受付やスタッフステーションのシンプルなテーブル、そして案内表示のデザインなどから、美術館のような印象を受けた。見学風景
  北九州地区は、人口10万人に対する回復期リハビリ病棟数が、全国平均の約50床に対して倍近い、約90床の激戦区である。同地区における病床の増加傾向は、一段落したようであるが、激戦区であることに変わりはなく、今後の小倉リハ病院にとっての生命線は、連携と質の高いリハ医療の提供であると分析している。

見学風景

まず連携では、組織全体、全員で取り組むものであるとの考えの下、適正な時期での回復期への転院、待機日数の短縮に連携パスなどのツールを活用するとともに、face to faceに力を入れている。患者紹介元の急性期病院への入院前訪問の6割には、医師も加わっている。浜村院長の「小倉リハは、医局から始まった」という言葉が印象的であった。
 次に、質の高いリハ医療の提供については、キャリアパスによる生涯能力向上策とともに、育成部を創設し、専従のスタッフによる教育・研修・育成の全体的な統括と推進により、スタッフの育成=サービスの質の向上を図っている。見学風景

 運営の面では、平成23年度より回復期リハ病棟において、看護とリハビリを「臨床サービス部」として統合、チームアプローチの促進とサービスの質の向上を図るための新しい運営形態を導入したとのことであった。

(済生会吉備病院 事務長 山縣俊介)

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